先日のKnife Making Workshop(ナイフ製作ワークショップ)の受講生の方が、ワークショップ終了して3日後に使用風景の写真を送ってきてくれました。

この方のお仕事はアウトドア関係のため、お客さんともナイフについて話や説明をされるそうです。
自分で作ったナイフを使う喜びと、その作る〜使うの経験が仕事にも役立つのは素晴らしいですね♪

この日飲んだ珈琲の味はいつもより少し美味しく感じたのではないでしょうか(笑)

また作品(ナイフ)が活躍しているシーンをお待ちしています。

自分で制作したナイフが様々なシチュエーションで活躍していると、嬉しいご連絡をいただいています♪

その、根強い人気のナイフ制作ワークショップ、5期の詳細です。過去の詳細とほとんど変更はありませんが、会場の都合で定員が2名となっています!

参加ご希望の方は、ご注意下さい。

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【開催日程】
1回目 3/19(土) 9:00〜17:00
2回目 3/20(日) 9:00〜17:00
3回目 4/10(日) 9:00〜17:00

3/19と3/20ですが、宿泊のご用意はありません。3日間とも08:45に集合していただきます。ですが、遠方からの参加者の方は多少参加されやすい日程になっていますので、ぜひご検討ください。

【開催場所】
東京都江戸川区

【講習料】
¥75,900(講習費3回分、保険料3回分、材料費、熱処理費用、消耗品、消費税)

【持ち物】
汚れてもいい服装
安全靴またはスニーカー(サンダル等肌が出ている靴は不可)
手袋(必要に応じて)
印鑑(三文判可)
*防塵ゴーグル、防塵マスク、耳栓は配布します。

【定員】
2名
参加希望者はオーダーフォームへ必要事項を記入し、濱田(下記アドレス)へメールをお願いします。
hamada@sou-inc.com
基本的に先着順で対応させていただきます。

【オーダーフォーム】===============
氏名:
ふりがな:
郵便番号:

氏名:
ふりがな:
郵便番号:
住所:
電話番号:
メールアドレス:
生年月日:
性別:

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*記載していただいた個人情報は、ワークショップ開催時に加入する傷害保険以外には使用しません。ご本人の同意がなければ第三者に個人情報を提供することもございません。取得した個人情報は管理責任者を定め、紛失や漏洩などが発生しないよう積極的な安全対策を実施いたします。

今年もよろしくお願いします。

SOUのワークショップは一昨年から 始まりましたが、活発に動き出したのは去年からです。

そして今年は!?

今の段階で決まっているのは2つ、弓を射つワークショップ と、ナイフメイキングワークショップです。

・弓は、2/5-6で御前山

・ナイフメイキングは、3/19,20,4/10の3日間でハマラボ

弓を射つワークショップは、一番寒いと思われる時期に行いますが、実は本来猟期は冬なんです。

もちろん、日本では弓での狩猟は禁止ですが、海外の多くのハンターはその寒さの中で獲物を追い、待ち、冷えた体で弓を引き、かじかんだ手で矢を放つのです!

暖かい時期だと簡単に出来た事も寒さの中では難しかったりします。矢を取り出し弓につがえる。ただそれだけの事が一苦労になる事も。

寒さ対策で着ていた上着に弦がぶつかり、狙いを外す!

海外のボウハンター達の苦労と工夫に触れることができるでしょう。

去年同じワークショップに参加された人だと、そのコンディションの違いが明確に感じるでしょう。

ナイフメイキングの方は、モノ作りに適した心地よい季節の開催となります。

どちらのワークショップも詳細は近日発表しますので、お待ち下さい♪

鍛造の魅力は、最初から最後まで自分で作り上げる感が強いことです。

削り出しで作る場合は、鋼材を買ってくるところから始めることが多いですが、私が鍛造で作る場合は素材を見付けてくる所から始めます。使い古したヤスリや、車のサスペンションスプリングがその代表格。そんなスクラップから焼いて叩いて削って形作り、祈りながらの焼入れを行い、仕上げていきます。

グリップや鞘の材料も自然の中から採取してきたり、ゴミ置き場から見付けてくることもあります。部品の一つ一つ、工程の一つ一つにドラマがあります。

どうしたって愛着が強くなりますよね♪

そんな鍛造のワークショップは、ナイフ制作ワークショップ(削り出しで作ります)の上級編として準備中で、2022年の開催を目指しています。ご興味のある方は気長にお待ちください。

先週末、ナイフ制作ワークショップの2期目が終了しました。

最終日は、グリップを仕上げ、シース(鞘)を作り、刃を研ぎ上げて終了となります。

1期のときは、グリップの仕上げ作業に時間がかかりすぎてしまい、全体的に研ぎの時間が少なめでしたが、2期ではグリップを丁寧に仕上げてから当日を迎えた人たちばかりだったので、比較的研ぎに時間を割けました。

とは言っても、「研ぎ」は教えることは少ない半面、実際に自分でやってみて慣れるための時間が沢山必要なので、今回の講習中だけでバッチリ腕が上がることはありません。それでも、重要なポイントを全員が理解することはできたんじゃないでしょうか?研ぎのレクチャーなのに砥石をほとんど使わず、#100の耐水ペーパーだけ!そして最後に秘伝のボロ布をちょっと使うだけで、ブッシュクラフトで使用するには全く問題ないレベルまで仕上げる事ができます。それを実演して見せた時にみた受講生たちの驚きの顔は、こちらが嬉しくなりました♪

ぜひ今後も練習して、せっかく作ったナイフを切れる状態に維持して下さい。

このワークショップは、単純に1本のナイフを作る(手に入れる)だけではありません。サンダーを使えば金属も樹脂も切って削ることができますし、ドリルで穴を開けることもできます。シース制作で使用した素材のカイデックスはナイフのシース以外にも、スマホやライトのホルダーも作ることができます。受講された方の新たなアイデアや作品の誕生を、楽しみにしていています。

合計3日間、お疲れ様でした。

焼鈍しで灰の中に埋めた鋼材を取り出す時は、いつも宝探しの気分を味わえます。灰の中に手を突っ込みゴソゴソ。硬く重い手応えを感じたら引っ張り出します。今回は鍛造といっても、素材作りですので、灰から出てきた姿はブサイクそのもの(笑)

ちなみに、この灰も自分で木や紙を燃やし作ります。灰を作り始めてから我が家のシュレッダーはお役御免となりました。

水洗いしたら、マジックで切り出すラインを書いて切り、削っていきます。ここから先の作業は、削り出しの工程とほぼ同じなので、細かい説明は省きます。工程が気になる方は過去ブログを覗いてみていただけると嬉しいです。

削り出しで作る時は焼入れを外注することもありますが、鍛造の時は焼入れも必ず自分でやります。

削り出しでナイフを作る時は、アウトラインを丁寧にケガキますが、鍛造の時はマジックでアウトラインを鋼材に適当に書きます。濱田流のモノ作りは実用上の要所だけ押さえれば、表面仕上げは大雑把なんですが、鍛造の時はそれがさらに酷くなります!ハッキリ言うと雑になります(笑)雑に作った鍛造の肌が好きなんです♪

日本刀の様に究極に完成されたモノの美しさは理解できますし良さも感じますが、田舎の野鍛冶が作る道具類の製作途中のごとく雑な仕上げに惚れます。野鍛冶のその雑な仕上げは、コストダウンも目的の一つですが、最終仕上げは使用者が自分の好みに合わせて仕上げて使うからです。実際、製作途中といえば製作途中ですね。だから実用道具として価格を抑えることもできるのです。

さらに、その最終仕上げをしていない道具を、どの様に仕上げて使用しているのか?それを見るとその使用者のウデや仕事に対するこだわりが見えてきます。時に言葉よりも雄弁に語ってくれますよ。現代の綺麗に大量生産される道具達では味わえない趣と世界が広がっています。

鍛造の一番の面白味はハンマーで仕上がりの形に近付けることですが、今回のように素材を作ることができるというのも大きな魅力です。というのも、削り出しの作り方では、完成形の形がそのまま素材の中に埋まる様なサイズの素材が必用です。しかし、鍛造で素材が作れるなら、コイルスプリングの様に曲がっていても問題ありませんから、まっすぐである必用さえありません。そうなると、ゴミとして捨てられていた物の中に宝物を見つけることができます。拾われたそのスクラップは鍛造によって生まれ変わり、第二の人生(?)を歩むことになります。

車のスプリングなら、今まで人や荷物を乗せて何十万キロも走り回っていたその鋼が、今度は人の手の中で活躍するのです。

ヤスリなら、削る道具としての天寿を全うした後に、切る道具として生まれ変わるのです。

ロマンを感じませんか?

本日、車のスプリングからナイフを作るべく、作業開始。

この車のスプリングは、友人からもらったワンボックスカーの板バネです。過去にも車のサスペンションスプリング(板バネやコイルスプリング)や、バッティングセンターのピッチングマシンに使用されているスプリングからナイフを作ってきました。他の鋼材も使ってきましたが、ものすごく錆びやすいというナイフとしては大きなデメリットを持っているくせに、妙に優しい切れ味に仕上がることが多く、魅力を感じるのです。火造りと呼ばれる鋼を赤めて叩いて変形させる工程でも素直じゃなく、苦労させられるのですけどね。

車の板バネですから、全長そのまま使うと長すぎるので、適度なサイズに切り出します。厚みが約1cmもあるので、完成予定のナイフよりも小さめに切り出します。

材料が切り出せたら、イメージ通りの鍛冶屋作業。炉で焼いて、叩いて変形させていきます。愛用のこの炉も自作です♪

火造り終了。元の板バネよりもずいぶん薄くなったのがわかると思います。反りも無くなり、真っすぐになっていますね。もう少し柔らかい素材なら、この火造りの工程でもっと完成形に近い形に近付けますが、スプリング鋼は硬いので、「板状の素材を作る」といった感じになりがちです。もっと腕が上がればスプリング鋼でも、この工程でほぼ完成形の形に楽にできるのではないかと夢見ています。

火造りが終わったら最初の熱処理、「焼鈍し」です。全体を真っ赤に焼いて灰の中に入れ、本日の作業は終了。続きは明日です。

刃物を研ぐには砥石が一般的です。様々な形の簡易型シャープナーもありますが、あくまでも応急処置に過ぎません。逆に、ランスキーシャープナーの様に、砥石を使いつつ研ぎ角を一定に保ったまま研げるジグもあります。


刃物を研ぐ際に最重要項目は「研ぎ角を一定に保つ」事ですから、ランスキーシャープナーは誰でも、技術がなくても刃物を上手く研げます。
ではなぜ私がランスキーシャープナーを常用していないのか?それは、面白みがないからです(笑)。毎回決まった手順で、毎回同様に正しくジグを装着し、ほぼ何も考えずに無心で手を動かす…  それはただの作業なんです。正直途中で寝てしまったことがあります!
ですから、私は基本的にオーソドックスな砥石を使って研ぐのです。毎回がチャレンジです♪

刃物の研ぎ方はベテランでも十人十色ですが、私はダイヤモンド砥石で荒研ぎ→人工(合成)砥石→天然砥石で仕上げの順番で研ぎます。最初にダイヤモンド砥石を使う理由は、研削力が高いのと、砥石の平面を修正するのがメンドクサイというズボラな理由からです!

次に人工(合成)砥石を使う理由は、30年近く前に買った砥石がちょうど使いやすかったので、ずっとそのまま使っているだけです。なかなかダメにならないので、ず〜っと使っています。死ぬまで使えるんじゃないかな?

最後に天然砥石です。天然砥石は、奥が深すぎます!正直よくわかりません(笑)インチキな商品も多いし、いい加減なコメントや売り文句も溢れています。そもそも正しく天然砥石を判断できる人がどれほどいるのでしょう?今の私には無理です。だから私の場合は、ある優秀な職人さんから言われるがまま購入したりしています(爆)
天然砥石は難しくも面白いです。人工(合成)砥石以上に刃物との相性もあります。しかし、相性の良いコンビだと綺麗に早く研げるんです。

もちろん、この組合せ以外でも全く問題ありません。細かい道具の違いよりも、先にも述べた「研ぎ角を一定に保つ」ことの方が圧倒的に重要だからです!

どれぐらい研げているか?の目安はみなさんどうやって判断していますか?僕は髭を剃って判断します。腕や足の産毛は思ったより簡単に剃れます。ですから最低でも産毛がそれる状態でないと許せません(笑)産毛チェックの次は髭チェックです。顎周辺に刃を当てます。バリが残っていると顔面が痛いです!逆に、研ぎ角が一定でなく刃が丸まっていると、痛くはありませんが髭が逃げてほとんど剃れません。
安全には気をつけて、みなさんもチャレンジしてみてください♪

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

年明け一発目のブログは、去年第1期が開催されたナイフ製作ワークショップ 2期目のご案内です。1期の参加者さんたちからの反応、1期に参加できなかった方からの要望にお応えするために、2021年最初のワークショップとなりました。
トップページ左側メニューの中の「ワークショップ」をご覧ください。

セレーションの研ぎ直しについて今回は書いてみます。
前回のブログで、セレーションは一度研ぐと切れ味が長持ちすると書きましたが、刃物である以上使えば切れ味は落ちますし、切れ味が落ちれば研ぐ必要が出てきます。プレーンの刃の場合は板状の普通の砥石で十分研げますが、凹凸のあるセレーションは通常の砥石だけでは研げません。
セレーション用の砥石という断面が三角形の棒状の砥石もありますが、私はイマイチ上手く使うことができませんでした。ですので、ダイヤモンドヤスリの丸と半丸を使用して研ぎ直します。刃の表(通常のセレーションだと刃の左面。大抵はメーカーロゴなどが入っている側)の凹を一つずつ角度を一定に研いでゆくのです。プレーンの様に根本から先端まで一気に研ぐことはできません。
こんな事を言うべきでないでしょうが、正直言ってメンドクサイです!これがセレーションの大きな弱点だと思っています。

全ての凹を丁寧に研ぎ上げる、気の遠くなるような作業を終了すると刃の裏面にバリが出ますので、通常の砥石に軽く当ててバリを落とせば完成です。
裏面はラクチンです♪

セレーションは、「〇〇で研げばすぐに切れるようになる」とか「〇〇すればいい」などのオススメがある方は、ぜひ教えてください。
お待ちしています。