山岳会に入るデメリット

すっかり春…いや初夏?になりました。前回の続きを思い出すのが困るほど、時間が経ってしまいました。

今年は、故障に悩まされ、なかなか思うような山行ができないでいましたが、その分、自分が今まであまり取り組めなかったクライミングに力を入れられるようになりました。

さて、前回の続きから…K山岳会に入会したのは、「自分で行う」というところに焦点を当てたかったからです。Y山岳会では、あまりにも周りのレベルが高すぎて自分の考えや行動を自分で選択するという余地がなく、登っているというよりは、登らせてもらっているに近い形でした。そこで、山のレベルやルートの難易度は、下がりますが、K山岳会に入会し、雪稜歩きやマルチピッチのシステム、レスキューなどを例会や定期講習で学びました。

また、周りのレベル感は、Y山岳会よりも低いので、自分で考えないと登れず(そもそも山に入るのに大前提の話ではありますが汗)、習得した基礎をアウトプットする機会が幾度もありました。

しっかりした基礎作りの目的で入会したので、初心者・初級者の難度の山行もとても充実し、やった感に溢れていました。何よりも年齢が近く、登攀力や経験値が近しい方と廻り逢い、ザイルパートナーを組めたことが何よりの成果になっています。(続く)

前置きが長くなってしまい、どっちが本題だか分からなくなってきましたが、この記事では、山岳会の入会のデメリットについての話に入ります。では、デメリットそれぞれについて、説明したいと思います。

・お金がかかる
山岳会に入会するとなると、毎月の会費や山岳連盟が提携する保険に入るため、お金がかかります。私が入っている山岳会でいうと会費が1000円/月くらい。保険は、色々とプランがありますが、5000円~10000円くらい。また、これ以外に海外遠征や消耗品などの購入のためにお金を集めるケースもあります。例えば、将来予定している海外遠征のために月に数千円ずつ積み立てたり、ガスや会山行で作る鍋の食材費などなどかかります。

・登山届などの提出が義務となる
個人で登山を楽しむときは、登山口やコンパスなどのWEBサービスを利用して、登山届けを出される方がほとんどかと思います。しかし、山岳会に入ると、その会特有の方法で登山届を提出するようになります。その方法は様々で、Y山岳会では、LINEのグループに「いつ・どこを・誰と・どんな装備で」入山するかをメッセージで前日までに送信します。K山岳会は、会独自のエクセルベースの登山届に詳細に入力し提出します。Y山岳会は3分くらい。K山岳会だと30分くらい作成までかかり、PC操作が苦手な私は、ぶっちゃけ結構しんどいです。

届けを作るのは所属の岳連に月単位で山行を報告する義務が会長などの役員にあるためという事務的な側面もありますが、山行のPDCAサイクルを回すための良い手段となるだけではなく、万が一の際には、捜索や発見が容易になります(情報の少ない遭難の捜索は、かなり骨が折れます)。また、経験豊富な先輩やパーティーに行動計画を言語化し、一律の情報として共有することで、自分の行動計画や考えが正しいかどうか、スクリーニングにもなり、安全性を確保しやすくなります。

・登山に規制や制限がかかる場合がある
会独自のルールやパーティーの技術レベルによって登れない山があります。「先輩が行ったことがないから、入ってはいけない」とか「登るには経験が足りてないよ」とか、会長や先輩の方の判断により、登れない場合があります。会に入ると、自分が登りたい山を登れないこともあり得ます。

・責任が発生する
会に入ることで、色々な責任が生まれます。事故を起こしたら報告する義務はもちろん。山を登るときのルールやモラルへの十分な意識や配慮が必要になります。それまでの個人での山行のそれとは、少し意味合い的にも違うかもしれせん。自分のせいで、会のみんなが山を登れなくなってしまわないように気を付けなくてはいけません。

・例会がある
毎月一回くらい例会があります。その月の訓練や会山行の話をします。特に大事な話がなければ世間話をします。欠席もできますが、極力出るように言われるので、仕事や何かで行けないと少し気を使ってしまいます。

・必ず自分がしたい山行とは限らない
会山行や先輩から誘われ、付き合うということもあります。または、歩荷要員ということもあります(笑) そんな時は、笑顔で引き受けましょう!

いかがだったでしょうか?ざっと、デメリットについてお話させていただきました。山業界は、狭いので人間関係が大事になり、人の目が気になったり、もしくは、山を登るに当たっての手続きなどが、面倒なことも多いです。しかし、安全性の確保に繋がる要素や人との繋がりを持つこともできるので、今回挙げたデメリットは、初心者・初級者にとっては、メリットにもなり得ます。

楽しく山登りをするだけではなく、安全を担保できる技術や知識、意識を持ち、経験を積んでいければ最高ですね!

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